2026年3月20日、まだまだ肌寒くも春の訪れを感じる曇り空の下、大川村でひとつの大きな節目となるイベントが開催されました。
それは、1997年から続いてきた「どんぐり銀行」事業としての、最後となる植樹祭。
大川村の豊かな自然と水を守り続けてきたこの活動の集大成となった一日の様子を、写真と共にお届けします!
はじまりは、29年前の「貯水率0%」
まずは少しだけ、どんぐり銀行の歴史を振り返ってみましょう。

きっかけは1997年の深刻な渇水でした。
四国の水瓶と呼ばれる早明浦ダムの貯水率が0%になったのです。
そこで、「水源地の森を豊かにして、水を蓄える力を取り戻そう」という願いから始まったのが、この「どんぐり銀行」でした。
どんぐりを預けると通帳に記帳され、貯まった「D(ドングリ)」を苗木として山に還す——。
そんな素敵な循環が、土砂崩れを防ぎ、私たちの暮らしを支える豊かな森を育ててきました。
そんな大川村の森づくりを支えてきたどんぐり銀行ですが、2025年度をもってその役割を終え、サービスを終了することになりました。
そこで、この事業の締めくくりとして、そしてこれまでの感謝を込めて開催されたのが、今回の「最後の植樹祭」。
そんな特別な植樹祭の様子をレポートします!
今回の植樹はサクラとモミジ!
これまでは「クヌギ」が中心だった植樹祭ですが、今回は村の将来の景観を彩るため、山桜(10本)とイロハモミジ(20本)が選ばれました。
• 山桜: 春、ソメイヨシノよりも少し白く可憐な花を咲かせます。
• イロハモミジ: 11月頃、山を燃えるような赤や黄色に染め上げます。


30㎝ほどの穴を掘って肥料を入れ、根鉢を丁寧に埋めて、竹の支柱に紐を結んで固定。
「元気に育ってね」と願いを込めて、一本一本植え付けていきます。
垂直の崖だってなんのその!村の『達人』と子どもたち
今回の「最後の植樹祭」に参加したのは、村の大人たちと、9名の山村留学生の子どもたち。
作業は大人と子どもがペアを組んで進められました。


子供たちは普段使いなれないクワやハンマーに悪戦苦闘。
「これくらいでいい?」「いいやまだまだ!その倍は掘らんと」
でも、最初は寒さで縮こまっていた体も、やっているうちに慣れてきて「意外と楽しい!」と笑顔を見せてくれていました!


また、大川村が誇る「山の達人」たちの凄ワザが、道なんてない、見上げるような急斜面を、手も使わずにスイスイ登って作業をすること。

その姿は、子どもたちから敬意を込めて「足に吸盤がついている説」が浮上するほど!
「真似しちゃダメだよ!」と笑い合いながら、子どもたちもクワやハンマーを手に一生懸命穴を掘りました。
作業を終えたあとは、みんなでテーブルを囲んでカレーライスをいただきました。
冷えた体に、温かいカレーと楽しいおしゃべりでほっと一息。


「意外と楽しかった!」「穴を掘るのが難しかったけど、またやりたい」 そんな子どもたちの言葉に、大人たちの目尻も下がります。
大川村の森づくりは終わりません
「どんぐり銀行」としてのイベント形式は今回で終了しますが、村の森づくりはこれからも形を変えて続いていきます。
今後は村内の事業として、白滝の里周辺などをさらに美しく彩る予定です。
数年後、私たちが植えた桜や紅葉が立派に育ち、大川村を訪れる人を笑顔にする日が今から待ち遠しいです!

29年間、どんぐりを預けてくれた皆さん、苗木を育ててくれた皆さん、本当にありがとうございました!
これからも、この美しい森を一緒に見守っていきましょう。