おしらせ

【村民の底力】第42回大川村謝肉祭が開催されました!

11月3日(日)、第42回大川村謝肉祭が開催されました!

謝肉祭は、人口およそ300人の小さな村に、県内各地から約1,600人が集まる、村をあげての大イベント。
県内ではすっかり知られる存在になりましたが、私たち村側にとっては“たくさんのお客さんの笑顔に出会える日”。
この日のために村内各所で秋口から準備が重ねられ当日を迎えます。

ところが、昨年は台風で会場が水浸しになり、やむなく中止。
今年こそは!と気合いを入れて準備を進めてきたのですが、まさかまた「自然との戦い」を強いられることになるとは…。

ほとんどのテントが使用不能に

10月30日、テントの設営も終わり、テーブルも並んで「これで万全!」と胸をなでおろした翌日の31日の朝、大川村を強い雨と風が襲いました。

テントが横倒しになり、骨は折れ、地面はぐしゃぐしゃ。
50張のうち35張が再起不能のどうにもならない状態でした。

——去年中止だったのに、まさか今年も?

しかし、そこからが大川村。

「不幸中の幸いやね。まだ、2日ある。」

1日・2日は青年団や役場職員、森林組合の若者たちが総出で復旧作業にあたりました。
「これが当日の朝だったらゾッとするよね」と笑いながら、布地を外し、壊れたテントを片付け、ほぼゼロからの再設営です。

でも、さすがはお山の青年たち。
たくましく、頼もしい!
「これほんとに間に合うの??」なんて言っていたのに、力仕事もテキパキこなし、2日の昼までには復旧完了。
無事、当日を迎えることができたのです!

その裏で…「まんぷくセット」も総力戦

一方会場整備と同時進行で、台所側もフル回転でした。
まんぷくセット1,500食分の仕込みです。

まんぷくセットにはみんなのお目当て「大川黒牛」と「土佐はちきん地鶏」の他に、かぼちゃやピーマン、キャベツなどのお野菜もついています。
この野菜を切るのも、青年団や役場職員が担当。
テントの撤去や会場設営と並行して、毎年恒例の調理場で大量の野菜切りも行っています。

ひょうたんカボチャとピーマンは村内の農家さんがとれたてを届けてくれたもの。
キャベツは、元山村留学生の親御さんが愛知から車で200玉を届けてくれる“愛のキャベツ”!
村内外の協力で出来上がっているお祭りです。

普段扱わないような大量のかぼちゃを前に「手が痛い~!」と笑いながら、みんなに均等に配れるよう丁寧にスライスしていきました!

さらに、謝肉祭名物の竹食器も準備完了。

謝肉祭の食器は村の男衆が山から竹を切り出し、1本ずつ削って、やすりをかけて仕上げたものです。
トゲが刺さらないよう丁寧に磨かれていて、使い捨てにするのが正直もったいないほど。
これを使って食べる焼肉こそ、謝肉祭の醍醐味です!

そして迎えた当日

そんなわけで迎えた11月3日朝。
テントの撤去も無事完了し、青空バーベキューとはなりますが準備万端。
残った数少ないテントの下で、子供から大人まで村民総出で「まんぷくセット」を作る最後の仕上げ作業が行われています。

が、天気はくもり、最高気温11度、風速8メートル
さ…寒い!!!!

第42回大川村謝肉祭

高知市内から来たお客さんが「寒いと思って厚着してきたのに想像の2段階上だった!」と言うほどの寒さ。
吐く息が真っ白に曇り、時折冷たい突風が吹いてきます。

ここ3年ほどはたまたまた謝肉祭当日が暑かった日が続き、その前はコロナだったので、村民にとっても実に5年ぶり、久しぶりの“寒い謝肉祭”です。
常連さんももちろん、村民にも戸惑った人がたくさんいました。

とはいえ、標高800メートルの山村広場では、これこそが本来の姿。
大雪が降った年もあるくらいですから。

寒い!寒い!!の声が飛び交う中、もつ汁やおでん、うどん、ラーメンなどのあたたかい食べ物が大人気!
みんな暖を求めて、長蛇の列を作り、例年よりだいぶ早く、11時頃にはすでに売り切れが続出していました。
中には「手伝ってくれるスタッフに昼食と夕食の分もと思って多く作って来たのに、全部なくなっちゃった…!」というお店も。
寒い時のあたたかい食べ物って身に沁みますよね…!

もちろんスナック系も大人気。
はちきん地鶏のむねスティックや田楽、いも天、コーヒーや特産品にもたくさんのお客さんの笑顔がありました!

開会式では青年団長がマイクを握り、「いろいろあったけど、こうして無事に開催できてうれしい」とご挨拶。

背面の大きな看板は、毎年恒例、大川小中学校の生徒が描いたものです。
画用紙に描いたものを、村の子供たちと青年団で拡大してベニヤに描き、手作業で支柱に設置しています。
今年は、昨年中止になった第41回分の作品も会場後方に飾られ、「2年分のありがとう」が広場を彩りました!

いよいよバーベキュースタート!

そしていよいよ、チケットを「まんぷくセット」と引き換え、バーベキュースタート!
テントはすべて撤去済みなので、(晴れ時々くもり)空の下、開放感たっぷりの焼肉です。
網にのせた瞬間に立つ香りで、寒さのことはいったん忘れます。(笑)
黒牛はジューシーでとろけるのに後味は軽やか。赤みが残っているくらいで、焼きすぎないほうが持ち味が出ます。
はちきん地鶏はじっくりしっかり焼きましょう♪

第42回大川村謝肉祭

これぞ謝肉祭の醍醐味!
もちろんお酒も飲み放題なので、どんどん取りに来てね♪
遠くの山並みを背景に一献、という光景は、テントがないぶん視界が抜けて、例年よりすこし雄大に見えましたね!

テントなしでの青空バーベキューは、村内で小さくやっていた第1回の謝肉祭以来、40数年ぶり。
安全面のやりくりは大変でしたが、、お客さんの笑顔がよく見えたこと、会場の一体感が強まったことは、今年ならではの収穫です。
お昼頃からは日も差してきて、テントがないぶん日向ぼっこで暖をとれて逆に良かったかも…??

また、今年は体験ブースも充実していました!

竹のおもちゃや木工体験コーナーでは、子どもたちが真剣な顔でおもちゃで遊んだり、レリーフを作ったり、お買い物を楽しんだり。
普段はなかなか触れることのできない昔ながらの楽しみを新鮮に楽しんでいる姿が印象的でした!

気球体験は風が強くてバルーンを上げられませんでしたが、バーナーの着火体験だけでも迫力満点!
炎がぼっと立ち上がるたび、遠くからも「おお…!」の声が聞こえていました。

一方ステージでは恒例の太刀踊りで大川村の子どもたちが凛々しい表情で刀を振り、観客から大きな拍手をもらっていました!

そのあとは青年団主催の丸太投げ。
毎年会場で参加者を募るのですが、かわいいコスプレの方がいたり、筋肉自慢の猛者がいたり、べろべろに酔っぱらってる方がいたり…(笑)
意気込みをマイクで一言言ってから投げるのですが、飛んでも飛ばなくても盛り上がる笑顔あふれる競技です。
ご来場の際はぜひふるってご参加くださいね!

そしてステージの華はなんといっても謝肉祭恒例、アドベンチャラーズのライブとお立ち台でのダンス!
毎年大人気のこの時間。
曲が始まるとみなさん、この時を待ってました!とばかりにステージに集まってきます。
酔っ払いも大人も子供も手を取り合って、踊って、笑って。
寒空の下が一気に熱気を帯び、ステージも観客もひとつになりました。

終わりに

結果的に、今年の来場者は約1600人
直前のトラブルでどうなることかと思いましたが、大きな事故もなく、無事に最後までにぎやかに終えることができました!

久しぶりにしっかり寒い謝肉祭で体調を気遣う場面もありましたが、皆さんの表情は明るく、帰り際に「寒かったけど最高!」「また来ます」と声をかけていただき、胸が熱くなりました。
「今年もやってくれてありがとう」と言ってくださる方がいるのも、とても励みになります!

テントがなかったぶん、会場の見通しがよく、人の距離が近く感じられたという“思わぬ発見”もありました。
一方で、朝方に小雨がぱらつく時間帯もあり、天候の備えという意味ではテントの重要性も痛感しています。
来年以降の開催に向けて、新しいテントの調達を含む準備方法を検討中です。
もしクラウドファンディングなどを行うことになった際は、力を貸していただけると嬉しいです!

倒れたテントから始まった準備が、あたたかい湯気と笑い声に変わった一日でした。
山に煙がのぼる風景は、今年もやっぱり美しかった。

大川村謝肉祭は、来年も11月3日です。
寒いかもしれません。
でも、それが大川らしさ。
どうぞ万全の防寒で、おなかをぺこぺこにすかせて、山村広場にお越しください!
私たちは、またみなさんの「おいしい顔」に会えるのを楽しみにしています。